保育園訪問記~小規模保育園どーなつ園(仮称)その2

つづき(その1より)

どーなつ園は1歳児と2歳児の12名定員の小規模保育園です。

地元にもう40年以上根付いた社会福祉法人が、昨年春に開園しました。

まだ開所して1年半。開所直前の3月末にようやく入ることができて、

はじめは棚が数個と、机と椅子があっただけで始まりました。

と・・・ここまでは保育園開所時にはありがち(笑)な展開かもしれません。

 

でも1年半で、素晴らしい環境ができているんですよね。

これは決してありがちでも当たり前でも何でもないです。

「何もない」ところから作る、これはすごいエネルギーのいることです。

それを面白いと思うか、大変と思うかは人それぞれですが、

エネルギーを必要とすることに、間違いはありません。

 

この園についていえば、

園長の目指す保育が明確だったことが、はじめのエネルギーを生み、

そのエネルギーがスタッフにも影響したこと。

「バグ」はその都度スタッフ間で解決方法を考え、試行錯誤を繰り返してきた、ということ。

そして今も試行錯誤すること自体がスタッフのモチベーションになっていること。

 

 

小さな園・少ないスタッフで運営する施設ですが、

一つの環境を作り上げるのが園長で、いわば船長さんです。

間違えると沈没します。保育が。

でも船長一人で船を動かしているのではないように、

保育士が動く・考えて動く・自分らしく動くために、

自分の得意を活かしていける工夫を、施していました。

 

これは園の規模の大小にかかわらず大事だな、と。

保育の向上のために、園内研修や役割が 「縦割りのチーム」あるいは「分科会的」になって

通年のテーマを決めて取り組んでいるのを見守る園長さん、います。

そこは園児150人規模で職員も多くて、運営組織のヒエラルキーがしっかりしているところです。

 

保育へのモチベーションが組織上の立場に左右されない工夫だと拝察しました。

 

保育士に主体性があるかどうか。

 

誰がどのように、その主体性を発揮させる仕組みを用意するのか。

そもそも意識しているか?

 

園の理念に子どもの主体性を掲げていたら、こちらも是非お願いします。

 

この、どーなつ園。

賃貸物件の壁の利用の仕方に困っているところが多い中、

素敵なバンチングボードをつけていました。

月齢に合わせたおもちゃを配置したり、くくりつけるのに便利なだけでなく、

季節の植物をアレンジして飾ったり、こどもの絵を素敵に飾っています。

「はい( ´艸`)  大工さんに作ってもらったの。」

そんな風にして作ってもらったものがあって、私が一番驚いたのが

「これ、切ってもらったんです~( ´艸`)」

「つ、つくえですか?」と私。

「えぇ、長かったものですから( ´艸`)。それで切ったものはあっちで使っているアレです~。」

と、おままごとコーナーになじんでました。

 

事業部に買ってもらった新品テーブルだって、

保育していて使いにくかったら

「これ、切れないかな」と考える。

これが保育を任されている自覚のある「保育士」発想だと、

つくづく思いました。

 

 

あ、、、、勝手に切ったらだめですよ。

大人ですから。