保育士格差について

「保育士格差」 こんな言葉は聞いたことがありません。

保育士の力量(保育力)に違いがあるのは当然なので、

その違いをことさらに言葉にする必要もないからでしょう。

しかし、

保育士の環境格差

となると話は違います。

今までいくつかの保育園を見学させていただいてきて思うのは、

保育士の置かれる環境にも格差がある、ということでした。

たしかに保育士自身がその環境をつくりだしている、という一面もあります。

しかし、

「保育士を成長させることができるか」

という視点で言えば、それはほぼ事業者の姿勢によるものだと思います。

その姿勢にはピンからキリまであります。

わかっていて何も手を打たないのも、ないと同じかもしれません。

保育士に伝わらないからです。

 

ほかに、保育士の環境格差には、保育士間の給与格差も含まれます。

月給平均26万円

政府が出した数字ですが、どこの国の話だろう?と思った人は少なくないでしょう。

 

 

さて

「保育士の給与など保育士の環境に格差があって、そもそも何が問題なのか?」

こう思ってしまうのが、市場原理社会で長く生きてきた大人の感覚かも

しれませんし、保育士でない一般の方の感覚だと思います。

 

でもこれは、まずいです。

 

なぜか。

 

保育士の環境の格差は保育士の力量(保育力)の向上に影響して保育力の格差を生み、

その保育力の格差が、受益者である「こども」の育ちを豊かにする可能性に、

はっきりと不平等を生み出すからです。

機会の不平等が著しいのです。

 

こどもの方を向いている事業者からすれば当たり前で、

だからこそ日頃から職員挙げて研鑽を積んで頑張っているのですが、

 

「今のままでも、どうにか保育はまわっている(からこれでよい)」

こういう発想は、保育士の環境が良くないところに、

むしろ多いのではないかと感じています。

いかがでしょうか。